ニュース2018.11.14

ドゥテルテ大統領、オンラインギャンブルの「抑制」を示唆

ドゥテルテ大統領、オンラインギャンブルの「抑制」を示唆

フィリピンのオンラインギャンブル業界は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の新たな「抑制」指示により、更なる取締りに直面する可能性がある。

地元報道機関は、ドゥテルテ氏のスピーチの中で「オンラインビンゴを抑制すれば、ギャンブルはなくなります。」と述べた、と報じた。さらに同氏は、ギャンブルが地元に於ける多数の強奪と誘拐事件の原因であり、例え現行のギャンブル企業が政府と契約していようが関係ない、と続けたという。

ドゥテルテ氏の首席大統領法務顧問であるサルバドール・パネロ氏は、ラップラー紙に対して、「私が知っている限り、[ドゥテルテ氏のコメントは]違法なオンラインギャンブルへの言及です。」と語った。それは、 タガログ語から英語に訳された「[地元でライセンスされているオペレーターが保有している]契約がどのようなものであろうと、私はギャンブルを不要だと思っている、それだけです。」というドゥテルテ氏の言葉そのものと矛盾している。

ドゥテルテ氏がその様な脅しをしたのは初ではない。2016年7月、大統領就任宣誓の数時間後に、ドゥテルテ氏は「オンラインギャンブルは止めるべきです。」と最後通告をした。その年の12月に、同大統領は「全てのオンラインギャンブルを閉鎖しなさい。何の役にも立ちません。」と命令した。しかし、2017年、新しくPOGOライセンスのカテゴリーに有利になるフィリピンの複数管轄地オンラインライセンス付与スキームを撤廃する大統領令を発行した。

ドゥテルテ氏が「オンラインビンゴ」に言及したことは、POGO業界が海外のギャンブル市場に厳密に特化しているにもかかわらず、国中の小売店舗のデジタル端末を介して地元住民に『オンライン』ギャンブルを提供しているイーゲームズとイービンゴの地元オペレーターであるフィルウェブに対する同氏の積極的なキャンペーンを思い起こさせる。

更に、強奪と誘拐に関する先述のコメントは、明らかに地上ベースのギャンブルに主として起因している事件に言及したものである。そうした事件は、数年前の開業以来、マニラのカジノオペレーターを悩ませてきた。

ドゥテルテは、オカダマニラのカジノを名指しして「かの場所では、誘拐犯、強要犯、ならず者の警察官が、まさにそのホテルの部屋で誘拐している。奴らは家族に身代金を要求するだけではなく誘拐された者を殺しています。」と述べた。

とは言え、9月に、パグコアのアンドレア・ドミンゴ氏は、違法なオンラインオペレーターに対して、地元のライセンスを取得しなければ「悲惨な結末に直面することになる」と警告した。ドゥテルテ氏の意図については、何も分かっていないことに変わりはない。


・ボラカイの状況打開には、大統領令が必要

関連した話として、フィリピン司法省は、ボラカイ島の6カ月間の環境浄化が完了した現在、同島でライセンスを受けたカジノの再開を防ぐ為には、別の大統領令を発行する必要があると示唆する法的意見を出した。

地元メディアは、ドゥテルテ氏はパグコアに対して、ボラカイのオペレーターに発行された全てのカジノライセンスを取り消すことを求めた。先日、パグコアはこの要求に従う意思を示したが、司法省はこの要求を実施する為にはもっと具体的な声明が必要である、と難色を示した。

テン紙は、国家が「フィリピン又はその一部に於いてギャンブルを禁止する規制権限を保有している」ものの、ボラカイのカジノへのライセンス授与を保留し且つ既存のライセンスを撤回するようパグコアに命じる大統領令が適切でしょう。」とDOJ長官のメナルド・グエバラ氏 が書いた10月8日付の意見を引用した。

ドゥテルテ氏の『契約』についてのコメントを繰返し述べた文言の中で、司法省の意見は、契約が「当事者間の合意を前提としている」のに対して、パグコアのゲーミングライセンスは規制当局の裁量で「授与され、撤回され、更新が留保される」「特別のはからい、特権付与」であると指摘した。

更にその意見によると、ギャンブルの規制が「規制権限の有効な行使」であり、ライセンス保有企業は既存ライセンスの取消しを指示する大統領令が憲法上の権利不侵害条項に違反していると主張することはできない。

ただし、ゲーミングライセンス保有者は既に資本を投資している可能性があるので、大統領令には「暫定ライセンスの取消しの結果に関する規定」が必要という指摘もある。

今年初め、マカオのカジノオペレーターであるギャラクシーエンターテイメントグループ(GEG)は、ボラカイ島に於いて5億ドル(約566億円)のリゾートカジノを開発する為の暫定ライセンスの発行を受け、最近8月時点では同プロジェクトの継続を示唆している。

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